人材育成分野で大活躍!客室乗務員の経験が生かせる研修講師の魅力

2019.12.17 キャリア

客室乗務員(以下、CA)を退職した後、研修講師として人材育成に携る人が多いのは知っていますか? 特に、接遇やマナー、コミュニケーションに関する研修講師として起用されています。その理由は、CAは顧客サービスの質が他の業界に比べて優れており、CAが持つマインド・スキルを学びたいと思っている企業・団体(主に医療・サービスなど)からの注目度が高いからです。

今回の記事では、人材育成を取り巻く環境、そしてCAの次のキャリアとして研修講師に転身する人が多い理由やその魅力に迫ります。

人材育成は、個人の成長を通して組織の成長を促す、今まさに求められている重要な仕事

組織(企業・団体など)を長期的に運営したい場合、提供している製品やサービスそのもののクオリティを高めることはもちろんですが、忘れてはならないのが「優秀な人材の確保」です。他社から招き入れる方法もありますが、自組織で育てる、すなわち「人材育成」に注力する企業・団体がほとんどです。人材育成を行うと、そこで働く人の意欲が向上し、結果的に組織の活性化につながるため組織の成長には欠かすことができません。

<人材育成を取り巻くフロー>
① 講師が、そこで働く人々を育成(=人材育成)
② スタッフ一人ひとりがその仕事に価値を見出し、自身の能力を伸ばして組織に貢献しようとする
③ ②によって組織力が高まり、経営が安定する/成長する

特に近年では、個人でSNS発信が容易になったこともあり、顧客満足度の高低が企業・団体の業績に直結することも多くなってきています。そのため、顧客満足度を高めるための手段の一つとして、人材育成(特に顧客サービスの向上)がより重視されるようになってきたのです。

人材育成の手法は、OJT(現場での実習、on the job trainingの略称)、OFF-JT(現場を離れて行う研修、off the job trainingの略称)、自己啓発(自ら進んで学習すること)の3種類に大別されます。企業・団体側は、自分たちだけでなく、外部の研修会社などと連携しながら、これらの手法をもとに人材育成を進めていきます。

研修講師の働き方

人材育成のフィールドで活躍する研修講師は、主にOFF-JTで研修を提供しています。クライアントの要望によっては、研修講師が現場で直接指導する場合(OJT)もあります。

研修講師になるには、1つの研修会社に所属して専任講師になったり、フリーランス講師として複数の研修会社に登録し、特定の講座のみ担当したりなどです。研修講師になりたての時期は前者のように専任講師として活躍し、独自の指導法を確立したのちに、後者のようにフリーランス講師に転向するパターンもあります。

勤務時間もさまざまで、毎日決まった時間で働く場合もあれば、研修のある日のみ稼働することも。自分のペースや家族の予定などに合わせて勤務時間を調整することも可能なため、自由度は高い職業です。

研修講師がCA経験者に好まれている理由

近年、研修講師として活躍している元CAの方も増えてきました。なぜ研修講師という職業はCA経験者に好まれているのでしょうか。その理由を以下に3つ紹介します。

CA時代の経験がフルに生かせる

CAの仕事のベースはお客様を目的地に安全にお連れすることですが、それと同じくらい、機内でお客様が快適に過ごせるように最高の接遇を提供することは大切です。ファーストクラスからエコノミークラス、お子さんからお年寄りまでなど、幅広い世代の方々と機内で交流することを通し、接遇、マナー、コミュニケーション力や、CA同士のチームワーク力など、あらゆる面の能力が鍛えられます。

前段のとおり、これらのスキルは顧客サービスを高めたいと思っている業界にとって、喉から手が出るほど欲しいものばかりです。「CAの経験は航空業界でしか生かせない」と思われがちですが、実は、CAが得意とするスキルのすべてがサービス市場から求められています。そうした中で、CA時代の経験がダイレクトに生かせる職業として、研修講師を選ぶ人が多いのです。

受講生の成長を見届けられる

CA時代は、お客様との一期一会の出会いを大切に接遇していたことでしょう。一方、研修講師の場合、受講生と何度も対話を重ねることで成長を見届けられる点が、CA時代との大きな違いです。

例えば研修では受講生にその組織で働くことへの目的意識を持たせることから始まり、具体的な接遇方法などを指導していきます。その間、動機づけ、ヒアリング、励ましなどを繰り返しながら、数時間から数か月単位で指導していきます。長期に渡るため、受講生の考え方や行動が少しずつ変化していく過程を感じ取ることができます。研修を終えた後、最初は見えていなかった彼ら・彼女らの潜在能力が開花していることもあります。受講生と繰り返し関わることで見えてくる、人と人とのつながりや成長が、研修講師として働く魅力の一つです。

クライアントの経営力向上にも貢献できる

受講生の力が向上し、お客様であるクライアントからお褒めの言葉を頂戴することができれば、受講生本人もやりがいを感じてより一層成長しますし、組織全体の力の底上げにも繋がります。研修講師が直接関わるのは受講生かもしれませんが、その影響はクライアント企業の経営にまでおよぶのです。自分の指導を通して人を変え、組織を変え、「自分のスキルで社会貢献できている」とやりがいが感じられるのも魅力です。

まとめ

顧客満足度の向上は、組織が発展するための重要な要素です。そのため、顧客サービス(接遇、マナー、コミュニケーション)面での人材育成は急務となり、これらの指導を得意とする研修講師が社会に求められています。CAはそもそも顧客サービスに長けた人が多いため、世の中のニーズを受けて、顧客サービス向けの研修講師として活躍する元CAの人が増えてきているのも必然といえます。

講師業は、人そして組織の成長を見届けられる素晴らしい仕事です。「自分のスキルで社会を変えられる」という醍醐味が、CA出身の研修講師を多く誕生させている理由でしょう。もし、ご自身のセカンドキャリアとして研修講師に興味が出てきたら、ぜひ一度経験者に話を聞いてみてください。きっとあなたの可能性も広がりますよ。

この記事の監修者


CAキャリアスクール事務局

エアラインスクールを通じて「CAになる」ための就職支援と、CA経験を生かして新たなフィールドで活躍する「セカンドキャリア支援」を行っています。接遇チェッカー、インストラクター、講師を目指したい人の養成講座も実施しております。

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