転職したいCAは英語力があると有利?英語を活かせる職種の採用基準とは
CAからの転職を考えた時、CA時代に培った英語力を活かした職種に就きたいと考えている人は多いのではないしょうか。
かつては英語力を活かす職業といえば、外資系企業勤務や専門的な職種に限られていましたが、近年のグローバル化に伴い、社内公用語を英語に定める企業が増えたり、採用条件にTOEICの点数を求めたりなど、英語力のある人材を求める企業が急増しています。
そこで今回は、CA時代に培った英語力を活かして就ける職種と、実際に転職でどの程度の英語力が必要とされているのか、また、身につけた英語力をキープするコツもご紹介します。
英語堪能なCAでなければ転職に不利?
CAからキャリアアップを目指して転職を考えている人の中には、TOEICや英検などのスコアを保有していたり、ある程度の英語力を持っていたりする人も多いと思いますが、企業にとってそれらは目安でしかありません。
転職活動においては、英語を使った実務的な場においてどのような経験があり、実際にその英語力を活かしてどのように企業に貢献できるのかが重視されます。
そのためには、CAでの英語を使った実務経験をより具体的に伝えることで、英語の資格の点数だけでは見えない生きた英語力をアピールすることができます。
また、英語が堪能とは言えないけれど英語を使って仕事をしたい人は、職種に拘ってしまうと転職活動が希望通りに進まない可能性もあります。
そんな時は、日常会話レベルの英語が必要な職種を優先すると、次第にスキルも向上し、将来的なキャリアの形成に役に立つでしょう。
CAが転職で英語を活かせる職種
ホテルのコンシェルジュ
訪日外国人客が増えている昨今、ホテルのコンシェルジュ業務の需要が高まっています。ホテルコンシェルジュは、特定の分野に限らず幅広い知識を持って利用客の要望に合わせたサービスを提供するため、どこかCAの機内での仕事に似ています。ホテルスタッフの中でも特に高い英語力を求められ、その多くではビジネス英語レベル、TOEIC730点程度以上が基準とされています。
秘書
来客応対、スケジュール調整、資料の作成など業務の幅が広い秘書は、高いレベルの英語力が求められています。特に外資系企業のように上司が外国人の場合や、海外企業との取引がある企業の場合は、よりハイレベルな英語力が必要です。ビジネス英語レベルでTOEIC750~800点程度以上が必要になるでしょう。
レセプタント
高い接遇レベルを要し、展示会や催しやホテルでのパーティーなどで案内や誘導、サポート業務を行うレセプタント(コンパニオン)の仕事は、ある程度の英語力があると役に立ちます。特に英語力が必須とされている職種ではありませんが、国際的な展示会や催し、外国人が主催のパーティーの場合にはTOEIC600点以上あるとより評価が上がるでしょう。
翻訳家・通訳
翻訳家・通訳は、専門的な知識とともにネイティブレベルの英語力が求められます。国際会議などに用いられる同時通訳ではTOEIC900点以上、少人数の視察や会議での逐次(ちくじ)通訳はTOEIC850点以上が最低ラインです。また、語学力だけでなく映像や文学に合わせた知識も必要になる翻訳家は、TOEIC900点以上が求められます。
英会話・外国語専門学校教師
英会話や外国語専門学校の教師を目指すには、幼児を対象とした教師の場合はTOEIC750点程度、学生や成人を対象にした教師の場合はTOEIC850~900点程度必要です。正確な英語力はもちろんのこと、専門性のある分野について教える能力や指導者としての責任感が必要になります。また、英語を母国語とする外国人教師とのやりとりやサポートなどを行う場合も。コミュニケーションとして英語を必要とするため、意思疎通できることも条件となります。
大使館・領事館職員
在日の各国大使館・領事館職員として働くには、英語力はもちろんのことその国の言語を習得する必要があります。英語も第二外国語もビジネスレベルで会話ができる程度の語学力が必要です。両国の架け橋となるハイレベルなコミュニケーションスキルも必要になりますので、外資系航空会社のCA経験があり、英語以外の第二外国語を習得している人にはやりがいのある職種と言えるでしょう。
CAが英語力をキープするためには
一般的に、英語力は日常的に英語に触れる機会が少なくなると一気に低下してしまうと言われています。例えば、単語がパッと浮かばない、英語を話すことに構えてしまうなど、その程度は人それぞれですが、ブランクがあるほどに英語を忘れてしまいます。
CAとして乗務している機内では問題なく英語で会話ができるけれど、プライベートでは話す機会がなく、実はあまり英語力に自信がないというCAも少なくありません。
CAで培った英語力を活かした転職を目指したい場合は、CAを退職してからも油断せずに英語力をキープする工夫が必要です。
そのためには、
- 英会話のプライベートレッスンを受ける
- 英語の映画やドラマを見る
- 英語のニュース配信サイトを使う
- TOEICなどの英語の資格のレベルアップを目指して学習する
- 英語で考えるくせをつける
- スマホやパソコンの設定を英語にする
など、継続的に英語に触れる機会を設け、英語力の低下を防ぐようにしましょう。
また、さらなるレベルアップのために目標を定めて学習を続けることも、英語力を活かした職種に転職するためのモチベーションアップにも繋がります。
おわりに
訪日外国人が年々増えている日本では、英語を活かして働ける機会は今後さらに増えるでしょう。つまり、英語が得意なCAにとっては大きなチャンスと言えるのです。
ただし転職活動では、CAで培った英語力を通じて何ができるのか、どう企業に貢献できるのか、より具体的にアピールすることを忘れないようにしましょう。
現在CAとして働いているなら、日々さまざまな国籍のお客様と英語を使ってコミュニケーションをとることは、スピーキング力やヒアリング力だけでなく、英語で臨機応変に対応できる力を身につけることができるチャンスでもあります。
英語力を活かして転職したいと考えている人は、日頃からその機会を上手に使い英語力のレベルアップに努めてください。
この記事を書いたCA経験者
桜子さん
海外の大学へ留学後、旅行やビジネスコミュニケーションの仕事を経験し、日系航空会社のキャビンアテンダントを経験。アジア・中東・欧州での生活経験あり。現在は、WEBライターとしても活躍中。