キャリアチェンジしたい女性が身につけておきたい考え方とスキル

2019.12.20 キャリア

ライフステージの変化など、何かしらの理由で現在の職を辞め、セカンドキャリアに進もうと思っている女性達。「せっかくの機会なので、これまでとは別の仕事にチャレンジしてみよう!」と考える人も多いでしょう。しかし、異業種への転職はハードルが高いように感じるのも事実。特にCAのような専門職で働いていた場合、「CA以外の仕事に転職はできるのだろうか?」と不安になることもありますよね。

今回の記事では、過去の経験を生かしながらキャリアチェンジを成功させるためのコツや、具体的な転職事例を紹介します。

多くの女性が興味を持っている「キャリアチェンジ」とは

キャリアチェンジとは、今までの社会人経験とは違う業界・職種へ転職することをいいます。例えば、今まで航空業界で働いていた人が出版業界に転職すること、今まで営業として働いていた人が人事に転職することなどです。

ある女性向け転職サイトの調査では、アンケート回答者のうち、約30%の女性が「キャリアチェンジに向けて活動中」、約50%の女性が「キャリアチェンジに興味がある」と回答しています。近年、女性向けの転職サイトも増加していることから、想像以上に多くの女性達がキャリアチェンジを希望しているとも読み取れます。

厚生労働省の「平成 30 年雇用動向調査」では、女性が仕事を退職した主な理由として、

  • 職場の人間関係
  • 労働時間や休日等の労働条件
  • 定年、契約期間の満了
  • 収入面

などが挙げられています。キャリアチェンジをする際には、これらの不安面を解消できるかどうかを考慮しながら、転職先を決める人が増えています。

異分野へキャリアチェンジするならポータブルスキルを活用しよう

上手にキャリアチェンジするには、どうしたらよいのでしょうか。その回答の一つとして、厚生労働省が提唱している「ポータブルスキル」の活用があります。

ポータブルスキルとは、「持ち運びできる能力」、すなわち、「業界・職種が変わっても通用する能力」のことです。専門知識・技術、仕事のし方、人との関わり方の3つで構成されています。

①専門知識・技術

専門知識・技術があると、それらを転職先でも直接的・間接的に生かすことができます。どんな専門性でもかまいませんので、転職活動前までに何か誇れるものを身につけておきましょう。「自分には専門性なんて何もない」と思うかもしれませんが、過去の経験を一つずつ書き出していくと、その中に共通するキーワードが出てくるはずです。そこを強化し、自分の強みとしていきましょう。

②仕事のし方

仕事で成果を上げるためには、「現状把握→課題の設定→計画立案→課題遂行→状況への対応」までを自分で組み立てられるようになることが重要です。これは仕事だけでなく、家事や子育てでも実践できます。今までの経験から具体例を書き出してみて、自分がこの5つのステップに基づいた行動をしているのかを確認してみましょう。もし現段階でできていない場合は、意識しながら行動するのがおすすめです。

③人との関わり方

仕事をする上で、コミュニケーション能力は欠かすことができません。顧客や取引先などへの社外対応力、部署内や他部署間との調整などの社内対応力、そして自分が管理職になった時の部下の動機付けや育成などに関するマネジメント力など、どんな仕事にも生かせる万能スキルです。元CAの方であれば、すでにコミュニケーション力に長けている方が多いと思いますので、自信を持ってください。

ポータブルスキルや経験を活かした女性のキャリアチェンジ例

それでは、元CAの方の転職事例をいくつか見てみましょう。

例1)海外へのフライト業務で得たグローバルな視点や語学力を生かして、海外展開している日系企業の営業部門マネージャーへ。

例2)CA時代の接遇経験を生かして、サービス業界に接遇・マナーを教えるフリーランス講師へ。

例3)ファーストクラスでの業務経験で得た高度な接遇技術を生かして、トップビジネスパーソンと対面する機会の多い社長秘書へ。

例4)海外フライトで現地情報に精通したり、海外のお客様とのやり取りで培ったトークの幅を生かして、五つ星ホテルのコンシェルジュへ。

例5)フライト時の安全・保安への知識を生かして、施設などで防災対策を指導するコンサルタントへ。

これらに共通するのは、前述のポータブルスキルやCAとしての経験を活かした上で、異業界・職種への転職に挑戦していることです。専門知識・技術としては、グローバル視点、語学力、接遇、マナー、保安などが目立ちます。また、どの例もお客様と対面でやり取りするものとなっており、人との交流・関わりを得意とするCAのコミュニケーションスキルはどんな職場でも活用できるといえるでしょう。。

女性がキャリアチェンジで失敗しないために

せっかくキャリアチェンジしたのに、入社後のミスマッチにより早期退職することになってしまっては元も子もありません。キャリアチェンジを成功させるために気をつけておくべきことは3つです。

1. 経験者の話を聞く

周りに転職経験者がいれば、ぜひ体験談を聞いてみましょう。「転職活動にあたり何を重視したか?」「どんな部分に苦労したか?」「転職後の生活は?」などについて聞くことができれば、今後自分が歩むステップの参考になること間違いありません。もし身近に転職経験者がいなければ、キャリアに関する無料セミナーなどを活用するのも手です。ハローワークや転職エージェントが実施しているものも多いので、インターネットなどで情報を集めてみましょう。

2. 自分のやりたいこと=「キャリアプラン」を明確にする

何かしらの理由でCAを辞め、キャリアチェンジをしたいとなった時、「そもそもなぜ今働くのか?なぜキャリアチェンジなのか?」という点は、転職活動前に必ず自問してください。ここがブレると、その後の転職活動すべてに影響します。まずはこれまでの人生を振り返り、今後どのように歩んでいきたいのか、そこから考え始めましょう。

3. 転職の条件を整理する

転職先を決める際、「有名な会社だから」「給料が良いから」など、断片的な理由で会社を決めるのは避けたいところです。まずは前職の退職理由を書き出し、それを元に「自分にとってセカンドキャリアを歩むために譲れないポイント」を明確化しましょう。優先順位付けを行うことで、転職先もおのずと絞れます。

おわりに

セカンドキャリアを歩む際に、「キャリアチェンジしてみたい!」と考える女性は増えています。しかし、異業界・職種への転職は、経験の有無によりなかなか一歩が踏み出せないこともあるでしょう。

そんな時は、あなたの「ポータブルスキル」を思い出してみてください。専門知識や技術、仕事のし方、人との関わり方は、今までの社会人経験の中で少なからず培われているはずです。これらを生かせば、キャリアチェンジは難しいものではありません。

キャリアチェンジを成功させるためには、3つのポータブルスキルを整理・強化することとあわせて、以下の3つのステップ

  1. 経験者の話を聞く
  2. 自分のキャリアプランを明確にする
  3. 転職の条件を整理する

も実践することをお勧めします。自分の理想とする人生に一歩ずつ近づいていきましょう。

この記事の監修者


CAキャリアスクール事務局

エアラインスクールを通じて「CAになる」ための就職支援と、CA経験を生かして新たなフィールドで活躍する「セカンドキャリア支援」を行っています。接遇チェッカー、インストラクター、講師を目指したい人の養成講座も実施しております。

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