客室乗務員が転職に失敗しないために必要なこと

2019.12.04 キャリア

どんな人でも、働き始めて3、4年経った頃や、30代、40代という節目の年齢を迎える頃に、「このままでいいのかな?」「他に向いている仕事があるのでは?」などど、”転職”の二文字が頭をよぎるものです。

それは客室乗務員でも同じこと。

学生時代からの夢だったはずなのに、不規則で体力的にもハードな仕事であることから、結婚や出産、子育てとの両立が難しくなり転職を考える人も多いのです。

しかし、漠然とした将来への不安や目的を持たないまま「なんとなく」転職活動を始めると、失敗したり後悔したりということにもなりかねません。

そこで、客室乗務員からの転職で失敗や後悔しないために必要なことをまとめました。

客室乗務員からの転職を少し考えた方が良い場合

理由や目的がはっきりしないまま転職に踏み切ると、「実は客室乗務員の方が向いていた。」「やっぱり客室乗務員の仕事に戻りたい。」と、後悔したという話も聞きます。

例えば、

  • 女性ばかりの職場で人間関係が辛い
  • ステイが多い乗務パターンが合わない

などのパターンが多いでしょう。

しかし、もし「客室乗務員としての仕事は好きだけれど環境が合わない」場合、他の航空会社の客室乗務員へ転職すれば、現在の状況を改善できる場合があります。

実際、一度客室乗務員の仕事を離れてしまうと、もう一度戻りたいと思ってもチャンスは僅かなもの。再雇用制度や経験者採用があるとはいえ、採用される人数はごくわずかであったり、ブランクを埋められなかったりと、希望の航空会社で働けないこともあります。

一時的な不満や曖昧な理由での転職や、将来の展望やライフステージの変化を伴わない転職を考えているなら、転職したいと思ったきっかけや、客室乗務員の仕事を続けながら現状を改善する方法はないのか、今一度見つめてみましょう。

客室乗務員から転職すべきか見極める方法

「やりたいこと」を棚卸しする

「やりたいこと」や「好きなこと」「得意なこと」というのは、自分らしい道に進むために考えるべき大切な視点です。

客室乗務員からの転職を考えるとき、これらの視点を曖昧にしたまま転職先を決めることはできません。

まずは、直感的にどうなりたいか、何がやりたいかを思い浮かべてみて、その上で次のことを考えてみてください。

  • 現在の自分と5年後、10年後になっていたい自分を比較する
  • 変えられることや努力できることを探す

このように段階的に自分を見つめ直して「やりたいこと」の棚卸しを行うようにしましょう。

自分が求める「譲れない条件」を絞り込む

客室乗務員から転職したいと考えているのなら、何かしらの不満があるということです。

今後、自分が納得する転職先を見つけるためにも、働く環境から給与などの待遇面まで、自分が求める「譲れない条件はどれか」をきちんと整理しておきましょう。

30代、40代を迎える中、客室乗務員とは異なる業種や未経験の職種へ転職したい場合には、働く環境や業務内容、給与、休暇・労働時間など待遇面と、すべての希望は叶えられないことが多くなっていきます。

そのため、本当に必要とするものだけを「譲れない条件」として絞り込み、現在の状況と比較してみるのもいいでしょう。

コミュニケーション力以外で強みを探す

客室乗務員は、機内での接客だけに留まらず保安要員の任務までこなします。また、相手の気持ちを汲み取ってコミュニケーションが取れることや、会話の引き出しが多いことは客室乗務員の武器でもあるでしょう。

他の職種と比べるとその業務内容は特殊とも言えますが、一方でスキル不足に悩む人も多いようです。転職するときにはコミュニケーション力以外のスキルも整理し、自分の強みをまとめておくようにしましょう。

例えば、限られた時間の中で優先順位を付け業務をこなす「タイムマネジメント能力」、顧客の要望や希望、好みを把握し対応できる「顧客管理能力」、世間話からクレームまで相手の気持ちとその裏にある要望を聞き取ることができる「ヒアリング力」をはじめ、どこに出ても恥ずかしくない立ち居振る舞いやビジネスマナー、外資系航空会社経験者なら英語力などは、どのような職種の場でも活かせるはずです。

客室乗務員として培ったスキルをどう活かすことができるのかも、具体的に整理しまとめることで自分の強みが見えてくるでしょう。

客室乗務員に再チャレンジする人もいる

「客室乗務員から転職したい」と自分を見つめ直した結果、中にはもう一度客室乗務員として再出発する人も少なくありません。

  • キャリアアップを目指す人
  • 働きやすい環境にするため管理職を目指す人
  • 現在の航空会社に留まる人
  • 客室乗務員経験者として新規航空会社の立ち上げに携わる人
  • LCC航空会社で新しいことに挑戦する人
  • 外資系航空会社へとベースを移す人

など、さまざまです。

彼女たちは一度立ち止まって自分の内面と向き合い、「やりたいこと」「譲れない条件」「好きなこと」がはっきりと見えてきたことで、好きな客室乗務員の仕事を続ける選択をしたのでしょう。

客室乗務員を退職した後の復職や再雇用は容易ではありませんが、一度離れてみたからこそ客観的に見つめることができ、再チャレンジしたいという思いが湧いてくるのかもしれません。

自分を見つめて後悔しない転職を!

客室乗務員からの転職を考えるには、さまざまな理由や背景があると思います。

学生時代から憧れた夢だったり、何度も採用試験を受けたり、努力を重ねてきた客室乗務員の仕事からの転職には大きな決心があってこそ。

しかし、最初にも記したように、漠然とした将来への不安や目的を持たないまま「なんとなく」転職したいという理由で転職すると、その結果失敗や後悔につながってしまうことになりかねません。

そうならないためにも、今よりもっと自分らしく進むためにも、はっきりとした転職目的や理由を明確にし、将来への展望を持って後悔のない転職を掴みましょう。

この記事を書いたCA経験者


桜子さん

海外の大学へ留学後、旅行やビジネスコミュニケーションの仕事を経験し、日系航空会社のキャビンアテンダントを経験。アジア・中東・欧州での生活経験あり。現在は、WEBライターとしても活躍中。

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