CAが退職・転職を考えるとき、その理由を次の転職に生かすためには

2019.12.06 キャリア

「世界各国を飛び回れて高収入」、「異性にモテそう」、「外見が良い」など華やかなイメージを持つCAの仕事。

一方で、離職率の高い仕事の一つとしても知られています。

CAとして働いたことがないと、「高い倍率を勝ち抜いてCAになったのに離職率が多いってどう言うこと?」と疑問に感じる人もいるようです。

そこで今回はリアルなCAの裏側を知るべく、元CAである筆者が、「CAが転職を選んでしまう理由」を暴露したいと思います。

CAが現役中に転職を考える理由4つ

まずはCAとして働く中で「転職したい」と思う理由やタイミングを紹介していきます。

人間関係のストレス

CAは女性が多く、また上下関係(セニョリティ)厳しい仕事としても知られています。

実年齢より入社した年月が少しでも早いことが重要視され、はっきりとした上下関係が築かれていることが多いです。そのため、新卒で入社した年下のCAが、既卒枠で入社した年上のCAを厳しく叱ったり注意したりすることもあります。

日によって乗務するメンバーが異なることから、「ある先輩にはこう言われたけれど別の先輩にはこう言われた。」など、フライト作りに関しても先輩一人ひとりの傾向と対策をつかむことが重要です。

「毎日一緒にフライトするわけではないから。」と割り切って乗務できる人もいる一方で、その都度落ち込んだり打たれ弱かったりする人もいて、後者の中には人間関係のストレスが溜まり仕事を続けるのが難しい状況に陥ってしまう人もいます。

外資系航空会社では、日系航空会社ほど上下関係がなく働きやすい環境であることが多いですが、外資系航空会社で働く日本人CAの中の上下関係が厳しいという話はよくあります。

ほかにも、言語や文化背景の異なる様々な国籍のCAと一緒に働くことになりますので、時間やルールにマイペースなお国柄のメンバーと乗務する時には、なぜか日本人CAの仕事分担割合が増えてストレスが溜まることも。

不規則な生活

CAは月単位のスケジュールで乗務しますが、夜が明ける前に出社したり、深夜に帰宅したり、また、時差のある国から帰国した翌朝に別の国へのフライトに乗務したりと、生活が不規則です。

日系航空会社では時差や体調管理を考慮し、数ヶ月ごとのローテーションで担当路線が決まっている場合もありますが、中東系航空会社では世界中どこでもフライトする場合もあり、早朝ヨーロッパからのフライトで帰宅し、その夜に長距離のアジア線へのフライトに乗務するパターンもあります。次第に「目覚めた時に自分がどこにいるかわからない」という状況に陥るのです。

休日はひたすら体を休めるため、家族や友達と出かける時間が作れないなど、仕事の不規則さから生じるストレスによって転職を考えてしまいます。

CAになることが目標だった

「CAになったものの思っていた仕事と違った」という理由で離職する人も一定数います。

一般的には理解されにくい離職理由かもしれませんが、CAの中には、学生時代からキャビンアテンダントになることだけを目標に頑張ってきた人が少なくありません。

CAになった途端に燃え尽き症候群のようになってしまい、「どんなCAになりたいか」や「CAになって何がしたいか」など、働き始めた後のことを考える余裕がありません。こうして、自分が思い描いてきたCA像と現実の相違に悩み離職する人もいるのが現実です。

給与と業務量のバランス

かつては、高給と言われたCAの仕事ですが、現在は経費削減のため、深夜手当やステイ先でのパーディアム(日当)が減る、機内での食事が提供されないなど、待遇も変化しています。しかし、フライト間インターバルでの機内清掃や機内備品管理など、業務量は増加し不規則でハードな仕事の割に給与は減っているのです。

また、LCCなどの新興航空会社では初任給程度の給与が数年変わらず、長年勤めていても給与が上がらないなど、勤続年数が長くなるほど、給与と業務量のバランスが合わないと感じる人が多くなります。

CAを辞めた後、転職を志す理由

一度現役を退いたCAが転職を考えるとき、CA時代とは少しポイントが違っているのが特徴です。

結婚や出産、転居など

元CAの転職理由で最も多いのが、結婚やそれに伴う転居、出産などライフイベントの変化によるものです。

仕事とプライベートとの両立を考えた時、不規則で家を空ける日が多いCAの仕事は続けにくいという現実があります。

海外でのステイ中に家族の元へすぐ駆けつけることができず、もどかしい思いをしたというCAも多く、家庭を優先するため転職を決めた人が多くいます。

また、結婚を機に転居が決まったものの、ベース空港の変更が難しく止むを得ず転職を選んだ人も少ながらずいます。

未経験の業界や職種にチャレンジしたい

多くの女性がそうであるように、30代を迎えると「将来のこと」や「自分の本当にしたいこと」について考えるようになります。

「CAとして培った経験を活かしながら、未経験の業界や異なる職種に挑戦したい」、「年齢を考えても今がラストチャンスかも!」と考え、思い切って踏み出す人も多いです。

長く安定して働きたい

年齢と共に不規則なスケジュールやハードな業務内容が辛くなり、長く安定して働ける仕事へ転職を希望する人も増えます。

仕事と家庭との両立や自分の体力に見合った仕事をと考え、土日が休みの仕事を選んだり、時短勤務やリモートワークが可能な仕事へと転職したりと、CA時代とは違った働き方を求めるようです。

転職前は今後の進路を明確にしておく

CAは、ストレスフルで実はハードで体力的に大変だったりすることも、経験者なら誰もがわかるところだと思います。

しかし、人間関係のストレスや体力面の問題、ライフイベントなどの環境の変化は、CA以外の仕事においても当然ありえます。

どのような転職理由があっても、5年後や10年後さらにその先を見据えて、「今後進みたい道」「なりたい自分」を明確にしておくことはとても大切なのです。

おわりに

転職の面接では、新卒時の面接とは異なり志望動機を掘り下げた質問をされたり、転職理由を追求されたりも多くあります。

面接時に慌てないよう、CAからの転職理由を志望動機につなげられるように整理しまとめておくと、スムーズな転職活動を行うことができるでしょう。

この記事を書いたCA経験者


桜子さん

海外の大学へ留学後、旅行やビジネスコミュニケーションの仕事を経験し、日系航空会社のキャビンアテンダントを経験。アジア・中東・欧州での生活経験あり。現在は、WEBライターとしても活躍中。

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