女性もセカンドキャリアを歩む時代へ。あなたの理想を叶えるコツ
2019年6月の総務省の労働力調査によると、女性の労働者数は3000万人を超え、女性の生産年齢人口(15~64歳)の就業率は71.3%で過去最高となりました。今では、夫婦共働き世帯数が専業主婦世帯数の約2倍となり、結婚・出産などを経てもなお、キャリアを継続する女性が増加しています。しかし一方で、独身・既婚含め、キャリアで悩む女性が増えてきているのも事実です。
今回の記事では、ライフイベントなどのさまざまな局面をきっかけに、社会人として最初の職場を離れようか悩んでいる、あるいは既に離れた方に向けて、自分の理想とする「セカンドキャリア」を歩み始めるために必要なポイントをお伝えします。
女性にとっての「セカンドキャリア」とは
「セカンドキャリア」とは、かつては定年退職後や早期退職後に歩む新たなキャリアを示す用語として使われていました。しかし、ここ数十年で転職は一般化。生涯で1つの仕事に従事するパターンは少なくなっています。そのため、社会人になって最初に就いた仕事(ファーストキャリア)を何かしらの理由で辞め、30~40代などで次のキャリアに進む人に対しても、「セカンドキャリア」という言葉が使われるようになりました。
女性のセカンドキャリアの歩み方としては、雇用形態をフルタイムからパートタイムへ、今までの職務経歴を生かして他社へ、あるいは未経験でも自分がやりたいことを求めて他社へなど、「自分(と家族)の人生をより豊かにするために転職する」という人が多い印象です。例えば、客室乗務員(以下、CA)を退職し、その時の経験を生かして次のステップに進むことも、セカンドキャリアに当てはまります。
30~40代女性が「セカンドキャリア」を考えるタイミング
女性の場合、出産・育児などのライスステージの変化や、キャリアアップを意識することなどにより、セカンドキャリアを考え始めるパターンが増えてきています。
ライフステージの変化でいうと、20代後半~30代は、結婚や出産、子育てを始める女性が増える時期です。夫の仕事の都合で転居する必要も出てくるかもしれません。40代に差し掛かると、今度は親の介護で実家に帰る必要が出てくることも。
これらのライフイベントの中心人物は女性が担う場合が多く、30~40代に、自分の人生だけでなく、家族の人生も考慮せざるを得ない状況に置かれます。一方で、自分のキャリアにも脂が乗ってきて、「仕事を続けたいけど、今のまま続けていいのだろうか」と、家庭と仕事のバランスに悩み始める時期です。
セカンドキャリア形成には「キャリアプラン」を指標に
ファーストキャリアを離れることになった場合、「せっかくなら、セカンドキャリアでは自分が目指す理想の働き方をしたい」と思うことでしょう。そのためには、キャリアプランを事前にしっかり立てておく必要があります。ポイントは大きく4つです。
1.これまでのキャリアを棚卸しする
あなたの今までのキャリアの中で、経験してきたことを時系列で一つ一つ書いていきましょう。楽しかったことや、辛かったこと、その苦難を乗り越えた方法、そこから得られたことなどを、思い出しながら記入していきましょう。
年齢 |
経験 ・楽しかったこと ・辛かったこと&乗り越えた方法 |
経験から得られたこと |
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2.20年後はどうなりたいか考えてみる
自分が将来どうなりたいか、ゴールを描くことは、一見遠すぎるように感じるかもしれませんが、そこまでの歩みを決める上でとても重要になります。まずは、自分が率直に20年後どうありたいかを書き出します。その後、自分の年齢と家族の年齢を元に一覧表にまとめます。「自分のゴールを達成するために、この時期までに〇〇をしておくべき」という短期の目標を書き込み、可視化していきましょう。
1年後 |
~ |
5年後 |
~ |
10年後 |
~ |
20年後 |
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目標(家庭・仕事) |
最終ゴール(どうなりたいか)を記載 |
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私の年齢 |
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夫の年齢 |
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子どもの年齢 |
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親の年齢 |
3.家族やパートナーと話し合う
もしあなたに家族やパートナーがいる場合、自分が転職したいと思っても、独断で決めるのではなく、事前に一度相談しておきましょう。特に、転職により今までと生活スタイルや給与面で大きな変化が起こる場合は、相手側に負担が増えることもあります。自分が描いた未来の目標を家族・パートナーと共有し、何が皆にとって最適なのか、話し合っておきましょう。
4.理想にしたい「ロールモデル」を見つける
人は目指す指標がなければ行動がブレてしまいます。「明確な目標を定める」という意味でも、自分の周りや著名人に理想とする(あるいは理想に近い)人生を歩んでいる人がいないか、調べてみましょう。ロールモデルがいると、今の自分に足りないものを認識できるので、自分の将来もより一層磨きがかかります。
女性のセカンドキャリアは準備期間が重要
20代はこれからの社会人人生が長いこともあり、転職を年齢でカバーできる部分もあります。しかし、30代を超えると、「前職でどんな経験を積んできたのか」「どんなメリットを会社に還元してくれるのか」という点が、企業側からよりシビアにジャッジされることになります。
その他、例えばファーストキャリアとセカンドキャリアの間が長期化たした場合、その期間が「ブランク」と取られ、想定より低い給与を提示されるなど、不利に働く場合もあります。
そうならないよう、前述のとおり、キャリアや経験を事前に棚卸しするのは有効ですし、自分が将来どうなりたいか、そのためのキャリアプランについて語れるように準備しておきましょう。
まとめ
今回ご紹介したキャリアプランの立て方は4つ。
- これまでのキャリアを棚卸しする
- 20年後はどうなりたいか考えてみる
- 家族やパートナーと話し合う
- 理想にしたい「ロールモデル」を見つける
ぜひ、これらを元に、ご自身のセカンドキャリアを描いてみてください。
「私の経験なんて大したものではないから、転職は無理」と思ってしまうかも知れませんが、あなたが得た経験には、何一つ無駄なものはありません。
特に「接遇のプロ」と称されるCAは、サービス業界、あるいは教育業界からそのスキルを求められることは多いです。じっくりキャリアプランを立て、貴重な経験を、次のキャリアへつなげていきましょう。
この記事の監修者
CAキャリアスクール事務局
エアラインスクールを通じて「CAになる」ための就職支援と、CA経験を生かして新たなフィールドで活躍する「セカンドキャリア支援」を行っています。接遇チェッカー、インストラクター、講師を目指したい人の養成講座も実施しております。